ダークファンタジー「叛逆の導 - THE SIGIL REBELLION - 」小説サイト

CHARACTER

リヴァ

孤独に生まれ、名を与えられた夜
その歩みが魔界の因果を静かにひび割らせる

魔界の最下層、《ヴァルタータ》と呼ばれる断層地帯で生まれ育った青年。
角も翼も、魔族の紋章すら持たず、“ムート”として存在そのものを否定されてきた。
ある夜、その額に謎の紋章が浮かび上がる。
それは、かつて魔界を支配した“虚王”に連なる王位継承印だった――。
本人にその自覚はなく、王となる意志もない。
ただ、歪んだ世界の在り方に強い反発を抱き、「破壊」を口にする。
孤独を恐れず、理不尽には迷わず剣を抜くその姿は、やがて魔界の均衡を揺るがす“異物”となるだろう。
いずれ訪れる運命と、彼はどう向き合うのか――
その旅路は、魔界に眠る“過去”と“咎”を、静かに揺り動かしていく。

カーヴァ

自由の矢を放つ、反旗の風
その矢が届くのは、声なき者たちのため

魔界四傑のひとりに数えられる、自由を掲げる弓の使い手。
鋭い射術と揺るがぬ信念を持ちながらも、暴君ではなく、支配から最も遠い位置に立つ男。
王にも神にも膝を屈さず、滅びの時代に“自由”の旗を掲げた。
〈解放区〉と呼ばれる無所属の流民たちを束ね、旗ひとつで多くの魂を導く存在。
強靭な意志と理想を胸に、どの勢力にも与せず、己の信じる“自由”を貫き通す。
風のごとく現れ、風のように去るその姿から、《反旗のカーヴァ》の名で知られる。

ヴォルグ

燃え尽きぬ忠義が、いま煉獄を征く
灰より甦るは、王なき世の猛将

魔界四傑の一角にして、《灰燼軍》を率いる炎の将。
かつて虚王エレディアに最後まで忠誠を誓い、王都の陥落のその瞬間まで戦斧を振るい続けた「滅びの騎士」。
燃え尽きたはずの誓いを胸に、王の遺志を継ぐべく立ち上がった不動の男。
その眼光ひとつで軍を統べ、沈黙だけで秩序を築く、絶対支配の化身。
彼の理想にあるのは、“選ばれし者”による統治。
力なき自由を排し、強き意志のみが秩序を築く――
それが彼の信じる「正義」であり、「新たな王の世」の礎である。
かつて王の剣だった男は今、自らが“王の代弁者”となり、焦土の魔界に再び秩序の焔を灯さんとしている。

ネイラ

水底に咲くは、語られぬ想いの代弁者
沈黙の巫女は、名もなき声を灯火に変える

霧に包まれた終焉の湖。
そこに一つの気配がある――黒き衣をまとい、銀の仮面で顔を覆う巫女の姿。
魔界四傑の一人《ネイラ》。
人々はそう呼ぶが、彼女が自身の名を語ることはない。
風のない場所に佇み、言葉少なに訪れた者を迎えるその姿は、まるで生と死の狭間に咲く幻のよう。
その手に携えた骸鏡杖は、真実を映すとも、心を見透かすとも言われている。
敵か味方か、巫女は断じない。
ただ、語られなかった“何か”に耳を傾け、忘れられた声を拾い上げる。
沈黙を守るのではない。沈黙の中に在るものを、見届けているのだ。
その問いの先にあるものが祝福か呪いか――
知るのは、彼女の前に立った者だけ。

ジュダス

神を喰らいし知性は、理の外へと微笑む
信仰と狂気の狭間に立つ、深淵の導師

かつて魔界にて“理”を極めんとした一人の異才がいた。
魔界四傑のひとりジュダス。術理と存在論に通じ、虚構すら解体する思考の使徒。
だが彼は、理を超える“何か”に触れてしまった。
神々の骸――《神骸》との邂逅を経て、彼の探究は知識から信仰へ、そして変質へと昇華されていく。
喪神の塔にて、彼は“深淵会”と呼ばれる教団を築き、神骸の理を世界に刻もうと動き出す。
その瞳は世界の輪郭すら書き換える、“深淵”の真理を見据えている。
誰が彼を狂気と呼ぼうとも、彼にとってそれは“目覚め”にすぎない。
今も塔の奥深く、彼は神骸の脈動とともに静かに微笑んでいる。